wildcatsの日記

赤羽在住でIT関係の会社の社長やってます。

IT業界でなぜ多重下請構造が発生するか?

一連のSIerネタ話の続きですね。
誰も消毒たんの問いに対するまともな回答をしていないので俺が書く。


最初に消毒たんの言う「技術者が独立して会社を作るから多重下請け構造」という話は本筋ではないように考える*1。むしろ営業の方が問題ではないかと。


まずIT業界の営業とは2種類に分かれる。

  • ソリューション営業。自社の持っているソリューションをお客様へ売る営業。
  • 人貸し営業。自社には売れるようなソリューションがないなどの理由から人を貸してピンハネをメインとする。

ボクは後者がIT多重下請け構造の原因と考える。
特に人貸し営業をしている会社の営業が独立して会社を作った場合には自社にソリューションなんて作る気などまるでなく
付き合い先の会社を増やすなどしてピンハネの量を増やすことしか考えられない。*2


次にSIerと人貸し営業会社との関係だけどwin-winな関係だったのではないだろうか?


SIerは開発規模がある程度大きいプロジェクトなどを受注すると
自社で要になる部分(俗に言うリーダークラス)にだけ人材を配置し
残りを外注で補う傾向が強いように考える*3
自社に開発できる人も居ないしプロジェクトが終わったら契約も切れるし後述する理由とかもあるんじゃないかな?


それに対して人貸し営業会社としてはお客様と直に面と向かっての請負仕事だと
責任をとらされるケースが多いので絶対にやりたくない。
まして自社でプロジェクトを仕切れるPMや調整力のあるエンジニアなどが居ない会社が多く
良いシナリオとして設計ができるエンジニアをプロジェクトの初期にアサインして
開発工程になったら若いプログラマたちを大量投入できるシナリオばかりを考えている。


この構図からSIer→A社(リーダークラスを含めてある程度人を集められる)→B社(サブリーダークラスを含めてまぁ人を集められる)→C社(プログラマしかいない)
という構図が作られるのではないだろうか?
ちなみにA社はSIerを出て会社を作った人が社長をやってる会社とかが多いですよね。
さすがに最近ではコンプライアンス(笑)とかって理由から下請け会社の要員は契約社員じゃないとダメというプロジェクトが増えましたけど
偽装契約社員など出る始末ですよねwwww


・・・おや、こんな時間に誰か来たようだ。

*1:そういうケースもあるかもしれないけど・・・

*2:えーっと、フィクションです。たぶん・・・おそらく・・・もしかしたら・・・

*3:これは今まで携わってきた経験則だけど